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男は首を斜め上方に伸ばした。 シルエットだけならば、雄々しく犬が遠吠えをするかに見えた。 だが、男はなけなしの人間性を示すため拘束を緩めようともがいただけだった。 彼を嬲る指は亀頭の破れ目の上で遊んでから茎の縫い目を撫で、二つの膨らみの中央から肛門の窄まりに当てられた。 蝶の羽ばたきに似た微かな振動が理性の下の欲望を緻密に揺るがす。 縛るのは理性という獣の皮。支配する者が欲する部分だけ皮を剥かれ、飽きるまで弄ばれる。 口枷の穴から唾液が溢れ、長毛で密度の高い絨毯を羞恥の色に染めた。 両手と両太腿をそれぞれベルトで繋がれ、可動域を制限されている。二足で立ち、人の姿を取ることは許されない。 愛撫に屈するたびに鼻を上に突き出し、涎を垂らし尻を振る。 その犬の有り様が鏡に映し出され、真実を突きつける。
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