七不思議 満月ノ夜ニ――

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 グラウンド部分は今も昔も変わらないように見えたが、振り返ったそこに校舎はなく。  ただ燃え落ちた兵舎の黒い残骸だけがあった。  いつかここにあの校舎が建ち、私たちはまた出会うだろう。  柊……。 「さよなら」 「娘、急げっ」 「澪ですっ」 と叫び返しながら、澪は前世の柊、片桐少尉について歩いていった。 いつの間にか日は暮れ、空に昇るのは、今も昔も変わらぬ                ――満月。                              完
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