さよなら、澪

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 燃え移った火のせいか。  熱を持っている階段側の柱に押しつけるようにして、柊は口づけてきた。  自分を抱き締めてくる柊の体温を柱よりも熱く感じる。  間近に澪を見つめ、柊は言った。 「……さよなら、澪」  柊が澪の耳許である言葉をささやく。  えっ? と思う澪を柊は階下の炎に向かい、突き飛ばした。  あっ、と小さく叫んだ澪の身体が空中に放り出される。
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