七不思議 満月ノ夜ニ――

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 降りかかる火の粉に澪は目を閉じる。  口許を手で覆い、息を止めていた。  もう限界だ! と思ったとき、頬に冷たい風が当たった。  身体にまとわりつくような木が焼ける匂いも熱気ももうない。  目を開けてみると、建物からはかなり離れていた。 「片桐少尉っ、ご無事でしたかっ」  何人かの兵士たちが男に駆け寄ってきた。  男は澪を下ろし、彼らと話しはじめる。  地面に足をつけた瞬間、揺れた澪の制服のブレザーのポケットでカサリと音がした。  見覚えのない四つ折りにされたルーズリーフがそこに入っていた。  広げると、柊のものらしき字が見えた。
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