塩パンは涙の味

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 「別れよう」  いつもの公園のベンチで冬空の下、直也は言った。  「え? なんで?」  わたしは頭が真っ白になって、声を出すのが痛かった。  「彩花さ、おれの気持ちってわかってくれてないし、同じ大学に入れるかわからないいのは不安で、ここで別れないと、半端な気持ちで付き合うことになるし」  直也の言葉からは、気持ちも、感情も伝わってこない。わたしは体が震えだして、声を絞り出すように言った。
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