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 再び僕らは火が付いて燃え上がる。こうしてくすぶる火種を煽ってやるとすぐにまた彌生の炎がメラメラと燃えだし、僕の身体を熱くする…。  何度もこうしてねだるのを知っているから彌生は僕の気が済むまでそうして何度も逞しい身体を揺らし、熱いものを僕の飢えた身体に突き刺し、気が狂うほど何度も乱してくれる。見た目通り逞しくて男らしい彌生はきっと女達を悦ばせるのもそんじょそこらの男よりいいに決まってる。そんな彌生に抱かれることのない女達がこの悦びを味わえないのが気の毒だ。けれど彌生が女を抱くことは決してない。色んな男達と肌を合わせてきたけれど、彌生ほどの男はそうはいない。だから僕はこの彌生の身体を離せずにいる。定期的にこの身体が彼を求め僕の欲を満たす。  この身体だけを…。  そうしてまたいつものように何度も求め合い気が付けば部屋はもう夜が明け空は白みだしていた…。  彌生は基本的にネガティブなことはしない。いつもポジティブで前向きだ。  だからこっちも弱った時の自分や、後ろ向きな姿は見せない。  こうして二人でベットに横になり、さっきまでのお互いを焼き尽くすような熱い二人の時間のクールダウンをしながら一息ついた合間に、最近入った新入社員のそんな会話をした。  彌生がさりげなく探っているのは解っている。今度来た新しい男性社員が若くてイケメンなのはもっぱらの噂になっていたから。  僕の直属の部下になる彼のこと…。  彌生とは、出会った最初っから身体の相性がすごくよかった。彌生は顔が僕のタイプでイケメンだし、最初っから誰よりキスが上手かった。それ以外も。僕を乱すくらいにいつだって欲しいことをしてくれて僕を満たしてくれる。  しつこくなくてさっぱりした男らしい性格と、その割には配慮が出来て、空気を読むことに長けてる。僕がして欲しいことを言わずともしてくれて、して欲しいタイミングで、して欲しいだけしてくれる。引き際のタイミングも阿吽の呼吸だ。  それであと腐れないから、変な気を遣ったりすることもない。ネチネチ言うこともないしやきもちも妬かない。僕がなにをしても勘ぐって責めたり文句を言うこともない。だから僕も彌生にそんなことはしない。  
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