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目元にハンカチを当てるとひんやりと冷たく心地よかった。
冷やしながら、続きを話した。
「ある時、同じように追われている人たちに会いました。
その中の一人が元々刺客を送ったテロ集団の一人で、経緯を教えてくれたんです。
刺客を三人送り込んでいるから、その時空へ移動して王子の殺害を阻止しなければならない。
ただ一人しか送れないので、混血で両方の言語が話せる私が選ばれました」
「それで前回のところへ」
「はい。
無事に守れてよかったです。
次がここでした」
「どこに刺客がいるのか、どのようにして殺害しようとしてくるのかわかるのですか?」
「いいえ。
ただ危険を察知するとこのイヤリングが教えてくれます」
指でイヤリングを触った。
「そうなんですね…。
ではわたくしも気を引き締めなければなりませんね」
「協力していただけるのですか!」
「もちろんですとも。
これでも昔は結構やんちゃしていて、多少体力は落ちましたがまだまだ現役ですよ?」
じいやは二の腕に力こぶを作り、二カッと笑った。
つられて私も笑ってしまう。
「とっても心強いです!
ありがとうございます。
サンドイッチ、ごちそうさまでした」
「では、合流しましょうか」
「はい!」
少し話すと気分は楽になった。
じいやと共に、王子の向かったレストランへと向かった。
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