それでもあなたがほしかった‐泥沼の離婚再婚編‐

1章 |智則《とものり》との出会い

はじめまして。
私、沙絵(さえ)(29歳)と水沼智則(みずぬまとものり)(43歳)はすごい歳の差のある夫婦です。
世間では、まだまだ歳の差婚は珍しいみたいだけど、私たちにとっては年齢差なんて関係ありませんでした。
今では、11階建てのマンションの最上階に2人で住んでいます。
「前の嫁と別れて、君と結婚してよかったよ」
「本当に？私も智則さんと一緒になれて幸せだよ♪」

智則さんは実はバツ1。
バツ1にさせたのは私なんですけどね。
だって…最初は遊びのつもりが、本気になっちゃったし…。
智則さんにも火をつけちゃったからね。
そう、私は当時結婚していた智則さんを略奪して結婚したのです。

智則さんとの出会いのきっかけは、遡ること2年前。
大学を卒業してから一般企業に入りました、
働き出して、なんだかんだしてるうちに27歳に。
仕事も順調だし、同い年の彼氏もいたけど…。
なんとなくつまらないし、刺激もない毎日だった。
そんな時、大学の同期の女の子に教えてもらったのがパパ活アプリでした。
そこにはお金もちで、時間とお金を持て余している男性がたくさんいるそうです。
今のお給料だけではちょっと足りないし、今の彼氏ともマンネリ化しちゃって、刺激がほしいなと思っていたところでした。
カフェで友人は、スマホに映るマッチングアプリの画面を見せてくれました。
よく見ると、私たちより遥かに年上の男性の写真ばかり並んでいたんです。
「沙絵ちゃん、美人だし、スタイルいいから、すぐ太いパパが見つかりそう(笑)」
「そっかなあ～…」
「登録も簡単だし、女の子はいくらサイト使ってもタダだからやってみたら？」
友人に押されるがままに、私はパパ活サイト『YOU＆ME』に登録。
その場で前に、遊びで何枚か撮っていた自撮り写真もあったので、それを使ってプロフィールを適当に入力して、写真を何枚か載せました