それでもあなたがほしかった‐泥沼の離婚再婚編‐

1章 |智則《とものり》との出会い

友人とカフェでお茶をして、家に戻ってアプリを見ると、さっそく男性会員から「いいね」がついた。
新着の女の子はチェックしているのかな。
どうせ登録したんだから、“お金をたくさん持っている人がいいな”と思ったんで、お金と地位を持っていそうな男性に絞って検索をかけちゃいました。
すると、確かに出てくるものの…数はやっぱり少ない。
年収1000万超えの男性って、女の子からのメッセージがすごそう…。
競争率とかも高そうだし、“お金目当ての女の子ばかり”って男性側も思ってそうだし。
ついでに、お金目当ての女の子って、いかにもパパ活ですっていう雰囲気をかもしだしてやってそうだしなあ。
私はそういった雰囲気を出したら、こういう男性たちは返事をくれないと思ったので、普通にメッセージを何人かに送ってみました。
“どうせ返事こないだろうな…”と感じつつやってみたら、返事をくれたのは水沼智則という男性会員でした。
「返信ありがとうございます♪何人か送ってみたんですけど、全然お返事がなくて…」
「はじめまして。沙絵ちゃんは可愛いし、若いのに素朴な感じがあるなって思って返信しました。お金目当てって感じでもなさそうだし」
いやいや…ぶっちゃけお金目当てなんですけど笑
だけど、その感じを出したら、智則さんのいなくなっちゃうかもなので、グッと抑えつつメッセージを続けました。
「そうですか？お金よりも、人間としてステップアップしたいなって思って。そんな大人と出会いたくて、このサイトをはじめました」
「へぇ～。そんな真面目な回答をしてくる女の子ははじめてだよ。ねぇ、よかったら会ってみない？」
智則からのお誘いに即返事をして、私たちは週末に食事と顔合わせをすることになりました。