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EP2 ワンナイ.....?
「…俺とplayしてくれませんか?」
「……ん?」
クラブでも同じ言葉を言ったが、明らかに意味は違っていた。その時、凛世は荻宮に見惚れていた。心の声が外に出てしまうぐらいには。
うるうるとした綺麗な目で荻宮を見上げてくる。
(っ、そんな顔で見るなよ)
荻宮は凛世のsub性に当てられていた。だからと言って自分よりも一回りも下の青年をしかも業務中にplayすることを許されるわけではない。
荻宮はglareを出していなくてもsubに怖がられたり、周囲の人間に圧迫感を感じさせるほど強いDom性を持っていた。故にplayを始めたら怯えられたり、強いglareに耐えかねてsafe wordを言われることもあった。
見た目はいいので声をかければ相手はつくれるが、subに合わせるので、荻宮にとって満足のいくplayはあまりできたことがない。だが、この目の前にいる期待に目を潤ませている可愛らしい男に、抑えていたDom性が揺らぐ。
「このあとはどうするんだ家に帰るのか?」
「いえ、電車がなくなってしまったので、、どこかのホテルに泊まろうかと」
「そうか、俺はもう行くから気を付けていけよ。じゃあな。」
Dom性が抑えられなくなる前に早く離れようと、もう見回りをやめて帰ろうと思った。が、服の裾を掴まれ、
「またDomに絡まれるの怖いから、一緒にホテルまでついて来てくれません?」
さっきまでのたじたじした雰囲気はどこへいったのやら、随分と積極的だ。ちょっと前からどこかふわふわしている。
(もしや、、sub spaceに入ったのか?!いや、でもplayも何もしていない、、、glareだけで?あり得ないだろ。だがさっきからの様子を見ていても何かおかしい、、。仕方ない、、
部屋まで送るか、、)
「あぁ、部屋まで送ろう。」
聞いた瞬間花が咲いたように笑う。その笑顔だけで荻宮の本能が疼く。この男のもっとたくさんの表情が見たいと思った。照れ、焦り、反省、泣き顔、怒り、そして喜び。結局は笑う顔が1番幸せだ。
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(、、なぜこうなった?)
今、荻宮の腰の上に凛世が馬乗りになって、シャツのボタンをはずそうとしたり、腹筋を指でなぞったりしている。
つい数分前、この男を無事ホテルの部屋に放り込んだら帰って酒でも飲んでさっさと寝よう、と荻宮は思っていた。が、入るなり
『荻宮さん?ですよね。すごくかっこいいです、、、声も好き、、♡』
と、抱きついて胸に頬擦りしてきた。すると荻宮の腕を引いてベッドに倒され、今に至る。
「下の名前で読んでもいい、、?」
不安そうな声でのぞきこんでくるが敢えてスルーする。
「ぼーっとしてるだろ。そんな状態でplayしても後で覚えてないんじゃないか?」
「Command、くれないの、、?」
うるうるしている目で見つめているが、自分の腰を荻原の腰に押し付け僅かに揺らしている。ちなみに無意識である。
「っ、、、怯えて途中でやめたりしないのか?」
「絶対にしません!、、、荻宮さんのglareは心地いい、、」
荻宮の中にしないという選択肢はあるようでない。もうその目は狼のような本性をあらわした目だった。
「safe wordはどうする?」
凛世が妖艶に微笑む。年下に誘われてそれに乗るなんて、自分はまだまだだと嘲笑する。
「じゃあ、、、んん、、シンプルに『離して』で。あと、凛世って呼んでください。」
「分かった。忘れるなよ?、、俺のことは莉愉でいい。」
「リユさん。綺麗な名前、、、」
「リンセ、kneel」
少し強めにglareを放つ。すると、凛世はとろんとしていた目を見開きながら"お座り"の体勢になった。その様子を見て、
「そろそろフワフワから抜け出せたか?」
「は、はい///、、」
凛世は荻宮の190cm近くの長身に鍛え上げられた体躯、一目惚れした顔に命令されたことでこれまでにない興奮を覚えた。顔が赤くなっているのを見られるのが恥ずかしくて俯いた。
「look、俺から目を逸らすな」
モスグレイの静寂な瞳から目を離せない。
「よし、次はstripだ。上のシャツから順に」
前開きのグレーのシャツのボタンに指をかけて外そうとするが緊張しているのかなかなか進まない。
「まだ、慣れてないんだな」
「あっ、、できますっ、ちゃんと、、できる」
さっきはかなり煽ってきたがやはり、まだ経験が少ないのだな、と思い、愛らしさが込み上げる。
手伝おうと思い手を伸ばすと分かりやすくビクッとする。
「俺が、怖いか?」
「そっそうじゃなくて、あのっ、、ごめん、なさいっ、すぐできます!だから、まって、、」
(俺が苛立っていると思ったのか?)
そう思ったのなら落ち着かせようと思い、
「大丈夫、ちゃんと見てる。上手だ」
軽く頭を撫でてやると安心した表情が浮かぶ。それから荻宮が全ての衣類を剥ぎ取ると、凛世をベッドに寝かせひたすら痕を残した。stayのCommandで全身を縛りながら。
==パムちです==
☆ありがとうございます🥺!
進むスピードの緩急があると思いますが、温かい目でご覧くださいませ〜(≧∀≦)
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