萬獣

3/5
前へ
/5ページ
次へ
女の人は どうやら僕の名前は知ってるらしいです。 でも僕はミコトではありません。 「こちらが優勝記念の仏像になりまぁす」 と言います。 見ようによっては仏像に見えなくもないですが、恐らくは河原に落ちてる少し大きめの、形の悪い石だろうというものを手渡してきました。 何気なく一旦押し返してみますが、無言でかなり強い力で押し戻されます。 僕は結局は怖いから受け取るのです。 ふと見ると何でか、さっきの子供は口から血を流して真っ白い顔で倒れていますね。 おじさんは今起きたみたいに、急に動いて立ち上がるのです。 ほして、動かない子供の脇を抱えて川べりへ進み、ドボンと川へほり投げてしまいます。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加