case 3 嶋田ナミ

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このピアスは今日受け取ったばかりで、ここに来る前に受け取り評価をしてきた。手に持ったままのスマホを見ると、ピアスの出品者“カズさん”からちょうど評価がきたので取引終了。 グッズの発送通知もしないと… 「何?」 荷物を持って出て来た大貴がスマホと私を見比べるので 「発送通知」 と応えたけど…ぇ?彼がスマホを覗いた。 「これ…見せて」 「soldになってるよ?」 「見るだけ」 カズさんのページですでに売れている腕時計が気になったらしい大貴にスマホごと渡す。 「ん」 「もういいの?」 「うん。ちょっと変わった時計だと思って。たぶんベルトが変えてあるんだな」 「ふーん。通知だけさせて」 明るいところで済ませてしまおう。 「相手、コレクター?転売ヤー?」 「さあ?」 「絶対自分の個人情報流すなよ」 「いっつも大貴はそう言うけど、流すわけないでしょ」 「いつも言っててちょうどじゃね?ヤバい人間はいっぱいいるって覚えておかないと、この世で生きていけないぞ、ナミ」 「スケールの大きな危機感だね…」
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