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「どっちでも大丈夫…電車でもわざわざ送ってくれるの?あの乗り換え駅まででもいいよ?」
車で送ってもらうことが怖いとは思わなかった。でもどちらにしても、帰り道があるんだからすごく時間を使わせてしまう。だから、こっちの県に入って乗り換える大きな駅まででもいいな、と考えたんだ。
「また会えるなら…あの駅でもいいし…ね…?どうかな?」
「杏子ちゃんは、突っ走るけどビビりって自分を理解してるんだよね…間違ってないし、可愛いポイントだよね」
さっきと同じことを言うさとちゃんの横顔を見ると
「オレから見れば、杏子ちゃんは素直で真っ直ぐで、気の使える…そうだね…とっても素敵な人だよね。男女とか関係なく魅力的な人で…可愛い女性だからオレは送らせて欲しいと思うんだ。いいかな?」
とても熱量を感じる言葉を、また小さな声で静かに私に届ける。
コクン…
「ありがとう、今日は車で送るよ。次に会うのは天気にもよるけど、あの駅でもいいね。何でもあるし」
「うん」
「連絡先、いい?」
隣り合わせで座る私たちがスマホを出しているところへ来ようとしたレンさんが奥さんにグイっと引っ張られたのが視界に入って少し笑ってしまう。
「後藤杏子ちゃん、か…よろしくね」
そう言って私の頭をポンポンとする彼は“吉川了”
とっても穏やかな私の彼氏だ。
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