case 3 嶋田ナミ

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「テルの学祭、行くのか?」 「行きたいと思ってる。テルくん、連絡するする詐欺で連絡ないから詳しく分からないままだけど」 「そんなヤツだよな。聞いておく」 「朝のバイトしてるんだよね?」 「そう」 私たちは大貴の弟、美大1年生である照貴の話をしながらゆっくりと家に向かう。美大の学園祭は初めてだから行ってみたいと思っているんだよね。 「光った」 「だね」 私が手にしたスマホが光ったのが夜道で目立つ。うん…?また光った…連続で光ったスマホのポップアップを見ると、メルカロンからの通知だった。 「大貴も学際行く?」 「最初で最後かと思って、行く」 「じゃあ、テルくんに聞いておいて。同じ日に行けたら一緒に行こ」 「連絡する」 「うん。じゃ、ありがと」 先に私の家に着いて、彼の家は5軒向こうだ。 「おやすみ~ぅん…?」 「どうかしたか?」 おやすみと言いながら、門灯の明るさに誘われて受信していたメッセージを開けて、ちょっと動きが止まってしまった。 「なんか…これって…推し活トークが始まったのかな?」 「どれ?無視でいいんじゃないのか?」 「うーん…さすがに…」 神推しトークを無視出来ない…という言葉は大貴の視線が喉で串刺しにした。
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