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「テルの学祭、行くのか?」
「行きたいと思ってる。テルくん、連絡するする詐欺で連絡ないから詳しく分からないままだけど」
「そんなヤツだよな。聞いておく」
「朝のバイトしてるんだよね?」
「そう」
私たちは大貴の弟、美大1年生である照貴の話をしながらゆっくりと家に向かう。美大の学園祭は初めてだから行ってみたいと思っているんだよね。
「光った」
「だね」
私が手にしたスマホが光ったのが夜道で目立つ。うん…?また光った…連続で光ったスマホのポップアップを見ると、メルカロンからの通知だった。
「大貴も学際行く?」
「最初で最後かと思って、行く」
「じゃあ、テルくんに聞いておいて。同じ日に行けたら一緒に行こ」
「連絡する」
「うん。じゃ、ありがと」
先に私の家に着いて、彼の家は5軒向こうだ。
「おやすみ~ぅん…?」
「どうかしたか?」
おやすみと言いながら、門灯の明るさに誘われて受信していたメッセージを開けて、ちょっと動きが止まってしまった。
「なんか…これって…推し活トークが始まったのかな?」
「どれ?無視でいいんじゃないのか?」
「うーん…さすがに…」
神推しトークを無視出来ない…という言葉は大貴の視線が喉で串刺しにした。
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