case 3 嶋田ナミ

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「うん」 とテーブルにスマホを置いたら、またピカッと光る。 「え…また…?」 ポップアップにさっきと同じ取引相手“まるかろん”というユーザーからメッセージと出た。見ると “購入させてもらったグッズって大阪のイベント限定グッズですよね。関東から行かれたんですね。今年も行きますか?” と…面倒な人だな。はぁ~…そのまま放置してお風呂に入る。大貴の “危機感を持てよ。メルカロンは推し活の人脈を広げる場じゃないだろ?” を思い出しながら髪をワシャワシャと洗う。 大貴も私と同じく、アニメもマンガも好きでよく知っている。それが発覚したのは、私がメルカロンを始めてコンビニ発送を始めたからだ。品名がいつも “キャラクターグッズ” だから、何のアニメかと大貴に聞かれてから発覚。大学も違うし、あまり会わなくなっていた大貴とよく会うようになって、子どもの頃のようにたくさん話をするようになったのは私のメルカロン開始がキッカケかもね。 そんなことを考えながら体を洗い、湯船には一瞬だけ浸かってお風呂を出る。 「お茶、いる?」 「うん」 「はい」 「ありがと」 ママが自分のついでに入れてくれたお茶をテーブルに置いてから 「じゃ、おやすみ」 と言って2階に上がるパジャマのお尻に 「おやすみ」 と返した。素早いママのお尻から上はもう見えなかったから。 椅子に座ってお茶を飲みながらスマホを見る。と…ピカピカッと光って“また?”と、少しドキッとしたけど、それは大貴からのメッセージで安心した。
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