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大貴のメッセージには、テルくんの美大の学園祭が来月6月の2日間と、秋は倍規模でもう一度開催されることが書かれていた。早速テルくんに確かめてくれたんだろう。
“ありがとう。6月行くよ。テルくんにも連絡するね”
すぐに既読になったけど、大貴からは何も返って来ない。いつもこんな感じだ。寝よ…
発送した商品は翌日集荷、その次の日に到着だ。その間、私は当然大学に通い、大学近くのケーキチェーン店でバイトする。
ここの女の子キャラクターも可愛い。私の好きなアニメと系統は違うけど、間違いなく癒やし系。バイトを始めてから、彼女のベロが“目が向いている方向”に必ず出ていると気づいた。
今日も閉店まで働いて最寄り駅に着くと
「お、ナミちゃんじゃん」
「お、テルくん。偶然バッタリ」
リュックを背負ったテルくんに手を振りながら駆け寄る。
「大貴も一緒って珍しい。何かあった?」
珍しく兄弟が揃ってる。
「いや、たまたま同じ電車だった」
「そこにナミちゃんも、たまたま」
「すごいね、私」
「「………」」
一瞬の間があって
「ナミだけすごいってのがスゴイ」
「兄ちゃん…ツッコミ入れる優しさな……偉いわ」
兄弟で私をディスる。
「なんかさ……小さい時は大貴もテルくんも可愛かったのに、高校くらいから偉そうだよね」
「……いや、さ…それもうナミちゃん十分偉そうに言えてる」
テルくんの言葉に合わせて、大貴が私の頭をポンポンとした。
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