case 3 嶋田ナミ

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大貴のメッセージには、テルくんの美大の学園祭が来月6月の2日間と、秋は倍規模でもう一度開催されることが書かれていた。早速テルくんに確かめてくれたんだろう。 “ありがとう。6月行くよ。テルくんにも連絡するね” すぐに既読になったけど、大貴からは何も返って来ない。いつもこんな感じだ。寝よ… 発送した商品は翌日集荷、その次の日に到着だ。その間、私は当然大学に通い、大学近くのケーキチェーン店でバイトする。 ここの女の子キャラクターも可愛い。私の好きなアニメと系統は違うけど、間違いなく癒やし系。バイトを始めてから、彼女のベロが“目が向いている方向”に必ず出ていると気づいた。 今日も閉店まで働いて最寄り駅に着くと 「お、ナミちゃんじゃん」 「お、テルくん。偶然バッタリ」 リュックを背負ったテルくんに手を振りながら駆け寄る。 「大貴も一緒って珍しい。何かあった?」 珍しく兄弟が揃ってる。 「いや、たまたま同じ電車だった」 「そこにナミちゃんも、たまたま」 「すごいね、私」 「「………」」 一瞬の間があって 「ナミだけすごいってのがスゴイ」 「兄ちゃん…ツッコミ入れる優しさな……偉いわ」 兄弟で私をディスる。 「なんかさ……小さい時は大貴もテルくんも可愛かったのに、高校くらいから偉そうだよね」 「……いや、さ…それもうナミちゃん十分偉そうに言えてる」 テルくんの言葉に合わせて、大貴が私の頭をポンポンとした。
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