case 3 嶋田ナミ

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“ナミちゃん”と、ちゃん付けのテルくんだけど、年下には見えないし思えない。大貴と二人、どちらもひとりっ子の私のお兄ちゃんのようだ。 「これが華麗なの?無視してトーゼンでしょ?」 むむっ…テルくんが私の頭の上で私のスマホを大貴に見せる。頭の上で何かが行われる屈辱に声を上げようとした時 「ナミ、デキる子じゃん。大阪とか行くという返事は論外だけど、返事が行かないでも分からないでもトークが続くのをぶった切ったんだろ?華麗認定してやる」 大貴がまた頭をポンポンとした。 「でしょ?大貴の言いつけ守りましたっ!で…大貴、この荷物持って…おもっ」 今日は私もリュックを持って、サブバッグにパソコンなどもある日だ。 「早く言えよ。もうすぐ家だぞ…リュックはいいのか?」 「あぁ~あぁ~ナミちゃん。兄ちゃんの過保護に便乗してリュックもパスしていいよ」 「テルくん、お子さまだからジャンケンでいいよ」 すでに大貴によってフリーになった手でテルくんと 「「さいしょはグー、ジャンケン…」」 「うっしゃ、俺の勝ち」 ジャンケンして負けた私は、テルくんのリュックを前に持った。 「ナミ、なんかきた」 「うーん、見えない。貸して…」 大貴が私のスマホを持っていたようで、光ったのが分かったのだろう。でもテルくんのリュックが邪魔だ。横向きになって受け取り 「あ、終了、終了、完了だね。評価きた」 と言うと 「無言で終わらせろ、ナミ。よくある“またご縁がありましたらよろしく”なんて、コイツには危険なテンプレだ」 大貴がこわ~い顔で私に言い放った。再会っていうのも変だけど…再会以降というか、最近ずっと大貴がこんな感じなんだけど…急にカッコよくって、気になってしょうがないんだよね。
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