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おばちゃんたちが持って来たお酒とおつまみで盛り上がっているテーブルを通り過ぎて、すぐ隣のリビングのラグに座る。そしてさっきテルくんが置いてくれたスマホを見た。
「…っ……」
終わったでしょ?何?
「ナミ」
小袋柿ピ◯を一袋だけ持った大貴が私の隣に座る。
「オッサンみたいな顔になってんぞ…どうかしたか?」
「うん……まあ、OK」
と言ってスマホを裏向けに置いた瞬間、ピカッと光ってビクッとする。大貴はそっと私の顔を覗くと…そのまま見てるの?近いって…ちょ…っと…
「言ってみ?」
息がかかりそうな距離…二人とも冷凍ギョーザを食べたけど…って、違う違う。頷いたらゴツンと当たりそうで、私は僅かに頭を引いて、スマホへ手を伸ばし指先で引き寄せ…られなかったのを、大貴が手渡してくれた。
「言うか、見せるか…どっちでもいい」
そう言いながら柿◯ーの袋を開けた大貴の視線は、私に向いたままだ。
「…うん……これってさ…ちょっと………ちょっとだよね…?」
私は画面を開けて、最新のメッセージもコイツかっ!とムカつきと戸惑いも一緒に大貴へ向けた。
“大阪の日程もうチェックしてますか?”
“その前に名古屋があるよね。自分は名古屋7.26の14時でチケット2枚取れてる”
“一緒に△△△に会いに行くならチケット譲れるよ”
「これアウトなんじゃね?個人情報聞き出す…には当たらないのか?でも…身バレの誘導とか、出品以外の売買とか…ダメだろ?運営に通報した方がよくないか?」
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