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「大貴、やるね」
「その上からなとこも、可愛いよな」
「ありがと。で…このあとの方が、問題?」
私が家の方を指差すと
「普通でいいだろ。付き合うって言っときゃ。母さん達がやかましいのはいつだって同じだ」
大貴がスマホで時間を見てから私の頭をポンポンとする。
「もうこんな時間。解散させないとテルたちは朝が早い」
「おじちゃんも、朝だもんね」
大貴とテルくんは家から近い店舗でバイトしているけど、おじちゃんは別の店舗に原付バイクで行く。
「お酒残ったらダメだよね」
私が急いでドアを開けると、後ろから入ってきた大貴がロックを掛ける。そして二人で部屋に入ると
「俺とナミ、付き合うから」
と普通に5人に向かって言ったあと
「おばちゃんとおっちゃん、いい?ちゃんとナミを大事にする」
私の頭をナデナデしながら宣言した。
「あ…んっぐっ…」
何か言いかけたおばちゃんの口をおじちゃんとテルくんが手で塞ぐので、私は笑いが堪えられない…ヤバい…今は我慢…ガマンと思ったら…っ…
「大ちゃんなら心配ないからな…仲良くやってくれたらいいよ」
「私はこれを予想してたからね」
「ママ、予想してた?」
「そうよ。メルカロンの荷物を出しては大貴と距離が近づいてるのに気づいてたから」
「ってことは、おばちゃん。夜のバイトにテルが入ってたり、他の男が入ってても可能性あったと思う?」
大貴が楽しそうに聞く頃には、おばちゃんの口が解放された。
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