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「そうだね、ナミ。パパは心配してないよ。大ちゃんだからっていうのはもちろんだし、あとはナミがちゃんと何でも話す子だからね」
パパが私にそう言ったのを聞きながら大貴が私の頭をポンポンする。
「それさ…あんまり頭ポンポンすると、ナミちゃん縮まない?ちっちゃいのがますますちっ…」
「なりませんっ。ああーテルくんはこれだよね、ママ」
ドッと皆が笑って、それぞれが片付けを始める。大貴が
「ナミ、アイツブロックしておけ」
と向こうに置いたままのスマホを指差すので、私は皆から離れた。
「このお酒美味しかったわね」
「これもメルカロンで買ったの。大きな大福っていう人だったかな…アルコールを飲まないのにもらったからって出品されてたから」
「面白いわね。甘党で飲まない人っていうのがよく分かるネーミング」
永遠に続くおばちゃんとママのお喋りを背中に受けつつ“まるかろん”をブロックした。メルカロンでブロックなんて初めてでちょっと緊張するけど、大貴がいるから大丈夫。
と…スマホが光り、それは大貴からのメッセージだった。
“明日、デートな”
デート…ホントにカレカノだ…大貴を見ると彼はテーブルを拭いていた、が…バチッと目が合いニカッと笑った。カッコよ…
少し怖いこともあったけど、きっかけになってくれたメルカロンありがとう。
【オムニバス全3篇:完】
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