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「主文、野上誠一、右の者を強盗殺人致傷の罪で、死刑に処す」  野上誠一は死刑囚になった。  誠一は高校を卒業後、定職に就かず、職を転々としていた。  もともと、人とのコミュニケーションが苦手な誠一は職場での人間関係もうまく構築できず、孤立していた。  高校の時もクラスの中では目立たない存在で、担任の先生が出席をとる時に飛ばされた。誠一が自分の名前を呼ばれていないことを申し出ると、担任は悪びれる様子もなく、いたのか?と訊く。  すると、クラス中で嘲笑交じりの爆笑が起きた。  だから、誠一は担任の先生が嫌いになった。あいつのせいで、いじめられるようになったと誠一は思うようになった。  誠一はギャンブルにハマり、給料をもらってはその日のうちに賭け事に散財してしまう。損した分を取り戻そうと更に金を注ぎこんで、また損してしまうという悪循環に陥ってしまうのだ。  最悪なことに、給料だけではやっていけなくなり、空き巣に入ったり、街金から借金をしては食いつないでいた。
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