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そのセリフが嘘やお世辞でなかったことは、翌日わかった。なんとクラスの女子の半分が、前髪を短く切ってきたのだ。
彼女たちの制服は、アレンジされていたりそのままだったり、人それぞれ。でも、みんななんだかかわいかった。廊下ですれ違う他のクラスの子にも「オン眉女子」がじわじわ増えていき、そのうちに街全体で見かけるようになり、ちょっとした流行になった。
切りすぎた前髪が恥ずかしくて、誰にも見られたくなくて、泣きそうだったあの日の私。なのにいつからか、眉毛丸出しの自分の顔も、悪くないと思うようになった。
てゆうか、ちょっと……かわいいかも? なんて思って、鏡の前でにっこりしてみる。
そのときに気づいた。おさじさんにもらったスプーンが、ポケットの中から消えていることに。キュッフワッだった制服はいつの間にか、普通のシルエットに戻っていた。
テストが終わったら、被服室に行こう。
おさじさんに、ちゃんとお礼を言わなくちゃ。
そう思っていたある日、私は衝撃のニュースを聞いた。
「被服室のある西校舎、来年取り壊されるって!」
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