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 言葉に詰まった松島へと言う藤井の語気が、ほんの僅かにだが強まった。 ――強まった様に、松島の耳には聞こえた。  下腹部に溜まりつつあった熱が、欲望を押し上げ持ち上げているかも知れない・・・・・・ 松島はつい反射的に下を向いて、まじまじと確認をしてしまった。  幸いにも、半勃ちにもなっていなかった・・・・・・  ホッと一安心して顔を上げた松島を、藤井の呆れ顔が待ち構えていた。 「一体ドコ見てんだよ。俺が言ってんのは、ココのこと。!」  藤井は、人差し指でトントンと自分の頭の側面を叩いてみせる。 釣られて自分も頭へと手を伸ばしてみた松島はやっとのことで、藤井が何を言わんとしていたかを理解した。  ハロウィン・コスプレの、オオカミの耳付きカチューシャを着けたままだったのだ!  今も着けているのであれば、当然、少し前にもそうだったわけで――。 つまりは、藤井との性行為(セックス)の最中も、バッチリと着けっ放しだった。 「うわあぁぁぁ・・・・・・!」  松島の喉の変なところから、変な声が絞り出されてくる。 「そんな格好のままで、あんなことやこんなことをしてしまって、恥ずかしい!」という気持ちも、確かに在った。
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