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しかし、それ以上に「そんな格好の自分に、あんなことやこんなことをされている藤井の姿を眺めてみたかった!」と、録画でもしない限り実現不可能なことを思った。
そう思ってしまった自分自身に対して、とても驚いた。
「これじゃまるっきり変態みたいだ・・・・・・」と、松島は我ながら引いた。
――ドン引きだった。
どうやら、お菓子によく似た大人のオモチャの使用は、松島的には『変態』ではないらしい。
藤井は超能力者などではないので、松島の葛藤を知る術は全く持ち合わせていない。
唐突なと思われる奇声を上げた松島を、ほとんど睨む勢いの疑いの目付きで眺めている。
その険しい目の光を不意に柔らげた藤井が、口を開いた。
「朝食に、ボクスティを作ろうと思ってたんだが・・・・・・」
「は?何それ」
松島の疑問は当然だと思ったのか、藤井は淡々と説明を述べてくるだけに止めた。
「アイリッシュ、アイルランドのジャガイモを入れたパンケーキだ」
「おぉ!」
実際に作ったわけでもないのに、案の定、藤井の予想通り歓声を上げる松島に藤井は苦笑するしかない。
松島が歓ぶのは、まだ早い。
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