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 藤井は、そう考えただけで胸の当たりがじんわりと温かくなってくるのを感じた。 こみ上げてくる松島への想いを抑えるのに、必死になる。  あぁ――、食べることが大好きな松島が、俺は大好きなんだ。 大好きだ・・・・・・  どうにか堪えつつ、何時もの素っ気ない調子を装って藤井は言った。 あえて、冗談っぽくもしてみせた。 「入れるのは(モチ)じゃなくて、芋だけどな。スライスベーコンを焼いて添えようと思ってるんだが――」 「まんまベーコンポテトだな!絶対においしいって、ソレ‼」  確定、確実視すら松島に、藤井は大いに背中を押された。 松島のニコニコ顏に釣られて、すっかりと笑顔になった。 「そうか。じゃあ、そうする」  期待に満ち満ちている松島の表情を見ている内に、藤井はふと思い付いた。 ――「不意に思い出した」と言った方が相応しかった。 「そう言えば、貰い物のメープルシロップがあるんだ」 「えっ」  松島が思わず発しただろう声は、明らかに上ずっていた。 藤井の耳は確かに、隠し切れない喜びの音を聞き取った。 確信に基づいて、藤井は言う。 「アイリッシュ風のジャガイモ入りパンケーキと、焼いたベーコンにかけたら美味しいと思う」 「・・・・・・」    
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