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 ベッドヘッドには、コンセントが二口備え付けてあった。 一つには、常にスマートフォンの充電器が繋がれたままで塞がれていた。 寝ている間に充電を済ませる為に、藤井が挿し込んだのだ。  ここに置いておけば、充電も携帯も両方とも忘れることはない。  藤井がそう踏んだ故の、位置(ポジション)だった。 もう一つの口は空だったはずなのに、今は違う。 ――違っていた。  スマートフォンの充電器によく似た物に繋がれていたが、置かれていたのはスマートフォンではなかった。  何と、あのマカロンもどきだった!  あまりにも違和感がないほどに、それは、しっくりと藤井の部屋に馴染んでいた。 「⁉」  だからこそ驚いた藤井は、すぐさまに信じられなかった。 何も知らないで見れば、単なるオブジェ、――そう、ただのインテリアだった。  しかし、そのマカロンもどきで、あんなことやこんなことをされたとしたら、そうは見え思えない。  あんなことやこんなことをされた他ならぬ藤井張本人がそう思うのだから、確実に決定的だった。 「松島ぁぁ――!あいつ、よくも、こんなこと・・・・・・」
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