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カルーアを牛乳で割った『カルーアミルク』の他にも、カルーアとウオツカとを1:2の割合で混ぜた『ブラックルシアン』や、ウオツカをブランデーに替えた『ダーティーマザー』などのカクテルがある。
どちらのカクテルも、ベースはアルコール度数が高い、――いわゆる『ハードリカー』だからか、何とも名前が物騒だ。
それらに比べると『カルーアミルク』は可愛らしく聞こえるが、そうでもないもを藤井は知っている。
突然、松島が叫んだ。
「アノ、『大人のコーヒー牛乳』みたいな味がするカクテルか!」
「――何だよ。その、いやらしい言い方は。プリンにはカラメルソースを敷いてないから、カルーアをかけて食べてくれ」
口ではそう、カボチャプリンの食べ方を説明しながらも、内心藤井は驚く。
そう、松島が言う様に「いやらしい」のだ。
コーヒーのリキュールであるカルーアの甘さと苦さ、そして牛乳のまろやかさとが相まって、『カルーアミルク』は実に口当たりのよい飲みやすいカクテルだった。
それ自体は、別に「いやらしい」ことでも何ともない。
そのことを利用し、お酒に詳しくない女性へとわざと勧める輩がいるのだ。
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