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 藤井へと訊ねてくる声が少しも笑っていない、真剣そのものだからだけではない。 全く動いていないにもかかわらず藤井の中で鈍く脈打つ松島自身が、何よりも正直に物語っていた。  このままだと、自分も松島も『生殺し』のままだ・・・・・・  藤井は、閉ざしてしまっていた口を思い切って開いた。 「松島の全体で、中、擦って・・・・・・」 「えっ」  案の定、松島に聞き返された。 断念してしまいそうになる気持ちを奮い立たせて、続けた。 「さっき、指でコリコリしたとこを、特に。――それと」 「まだ何か注文をつけるのか⁉」と、松島に呆れられるかも知れない。 そう心配しつつも、藤井は言い募るのを止められない。  もう、限界だった――。  ついている藤井の両膝がガクガクと震え揺れ、主に上半身の体重を支えている両腕へとさらに負荷がかかる。 「前も触って‼扱いてイかせてっっ‼」  ほとんど叫ぶ勢いで言い放った後で、藤井の両腕の力はガックリと抜け落ちた。 藤井は何とか顔を左へと逃がし、主に両肩で上体の重さを支える。
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