計画達成

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計画達成

Aは決めた決断したのだ。 市内の外れに有る廃車屋で普通に手続きをして潰して貰うことを! Aは綿密に計画を立てた。 車の外れた右バンパーを裏から紐で吊り上げておく。 Aの自宅から朝8時に市内外れまでドライブを装う。 偶然に廃車屋の近くの街路樹に自ら運転を誤りとして車の右フロントを激突とする! それを廃車屋が目撃出来るくらいの位置にてとする。 その後は廃車屋に自ら出向き廃車手続きをする。 きっと廃車屋はAが起こした事故に疑問を抱かずに廃車をするだろう。 Aの事故車を街路樹にぶつける結構日。 午前8時自宅を出る。 午前8時30分廃車屋を30メートル通過。 午前8時32分・・Aは思いっきりアクセルを踏んだ。 物の見事に街路樹に激突。 それも狙った右バンパーが大きく外れてフロントが大きく凹んでいた。 シートベルトをしていても激突の衝撃は凄かった。 ドンと大きな音に廃車屋から数人が飛び出して来た。 Aは少しヨロつきながら急いでバンパーを吊り上げた紐を懐に入れた。 「大丈夫かぁ?」廃車屋が数人走って来た。 Aはわざとその場に座り込んだ。 「怪我はしてないか?」 『あゝ大丈夫だよ・・それより車わぁ』 「ありゃこりゃダメだよ・・フロントからエンジンまで行って居る」 『・・そうか・・』 廃車屋の野郎がもう一人に言った。 「街路樹とは言え市の管轄だから一応警察に連絡しておけ!」 Aは動揺していた。 ・・警察!? 程なく自転車の乗った警察官が一人で来た。 「ありゃ派手にやっちゃたね・・怪我は大丈夫か・・」 警察官は簡単に事情聴取をしていた。 「あゝそこでよそ見をしてのハンドル誤操作ね・・どうする・・廃車にするか?」 警察官は淡々と職務をこなしていた。 『どうもすみません、ほんと言い方は悪いけど街路樹で良かったです・・これが人様だと思うとゾッとします』 Aはわざと動揺した振りと反省の振りを警察官に示した。 「おたくも運が良いのか悪いのか・・廃車屋の近くって・・ねぇ!」と警察官は自転車に股がりAに言った。 警察官は自転車でゆっくりと帰って行く。 「旦那、廃車ならうちでやるけど・・それともディラーに連絡をするか?」廃車屋がAに言った。 『そうだなぁ・・これからディラーだとレッカー費とか面倒だからあんたのところで頼むよぉ〜』 「旦那この状態だと"永久抹消"だけど・・うちで一応買取って感じだから譲渡になるわけ・・印鑑証明書と実印がいるけど・・警察にも届けたから先に廃車をして明日中に印鑑証明書と実印を持って・・これそう?」 『あゝ大丈夫明日中に必ず手続きを済ませるようにするから』 『それはそうと自転車を貸してくれないか・・こんな日に車に乗るのはイヤなもんだよ』Aは塩らしく言う! 「あゝいいよ・・自転車なら明日に返してくれればいいから!」 Aは助かったと確信した! 帰り道も少し有頂天になっていた。
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