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午後9時
198◯年8月17日午後9時頃に◯◯県の◯◯市国道◯号線に抜ける小道にて交通事故が発生した。
被害者は中学三年生男子(15歳)にて塾の帰り道にて交通事故に遭遇した模様。
この中学三年生は国道を渡って帰宅するために信号待ちをして居るところに猛スピードにて信号待ちの被害者に衝突したと思われる。
加害者は不明。
その場から立ち去った!
被害者の発見が遅れて尊い命が奪われてしまう。
『轢き逃げ』
所轄警察での現場検証が行われた。
わかった事は!
ブレーキ痕が無く、轢いた後50メートル先にブレーキ痕を発見。
この日は朝から台風の接近により雨と風が強く吹いた。
アスファルトのブレーキ痕とても強い雨にてアスファルトに薄らと痕跡が確認出来るほどだった。
この様に衝突した場合は衝突した車にもダメージが残り破片が本来なら残って居るはずが強い風に飛ばされていた。
交通課鑑識係も台風の中必死に車特定の為に加害者車両の何かしらの破片を地に這いつくばり探したが決め手となる加害者車両の破片は探しきれなかった。
それでも数点の自動車と思しき破片や塗料を採取ができた。
これによりわかった事は!
①・加害者車両と思しき車両は◯◯社のセダン車又は◯◯社のワゴン車では無いか?
②・加害者車両のブレーキ痕からタイヤは◯◯社のノーマルタイヤでは無いか!
決定打となる決め手の証拠物が無かった。
国道とはいえ田舎なので夜9時頃では人通りも無く目撃者も居なかった、ましてや台風が近づいていたから尚更捜査は困難だった。
警察でメーカー二社の車両確認をしたところ県内では約2千台が販売されていた。
絞って市内だと約6百台が販売されていた。
国道なので県外車となると数万台になる。
これは陸運局から車両数を提出してもらい一台づつ確認して潰して行くしか無かった。
御遺族のことは勿論若い命を無謀な運転で失われてたことに警察官は怒りと憤りを感じていた。
「なんとしても轢き逃げ犯を逮捕せねばならない!」
当時警察署の署長は来年にも定年を迎える叩き上げの方であった。
夜を徹して轢き逃げ犯に対する捜査方法を決めなければならなかった。
やはり時間が掛るが虱潰しにやるしかないと交通課長や鑑識係が捜査方法を決定しようとしたところで初めて署長が発言をした!
「今事件は日にちが経てば経つほどに証拠物がこの世から無くなる可能性が強い。
現に今も犯人は事故車をどの様に始末するか悩んで居るだろう!」
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