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「もちろん電話が苦手っていう人もいるわ。緊張しちゃってとか、恥ずかしくってとか。でもどんな人でもロープレはできるものよ。だって電話する相手はわたしたち、教育チームの人間だもの」
「は、はは……そうですよね……」
「陸人くん、笑い事じゃないのよ」
宮田がぴしゃりと遮った。普段まとっている温和さは抜け、どこか冷えた視線で陸人を見る。
「すっ、すみません」
急いで笑顔を引っ込める。うなだれながら、また悪い癖が出てしまったと、膝に置いていた拳をきつく握りしめた。陸人は叱られたときなど、深刻な場面に遭遇すると笑顔でごまかしてしまう癖があった。そうしたところで事態が好転することなどなく、むしろ悪化を招くだけだとわかっているにもかかわらず、どうしてもやめられなかった。
案の定、優しかった宮田の口調がきつくなる。
「陸人くんは現状、ロープレすらできない。このままでこれからどうしていくつもりなの?」
「す、すみません、今日からは頑張りますので……」
「それはもう昨日も一昨日も聞いたわ」
「すみません……」
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