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14   ジャックとの通話を切ってから五分足らずで、リビングルームに人が降りてくる気配がする。 くだんの黒髪の男は、堂々と玄関から俺の家を出て行った。 玄関のドアが閉まる音。 そしてすぐに、通りの向かい側から車のエンジン音が聞こえた。 俺は運転席から出ると、再び荷物を抱えてガレージから家へと入った。 階段を上がり、そのままベッドルームへと向かう。 扉は半分開いていた。 ニーナはベッドセットをすべて引き剥がしており、マットレスの上に新しいシーツを広げ、ベッドメイクの最中だった。 俺がいきなりドアを開けると、ニーナは猛烈に驚いた。だが、すぐさま落ち着きを取り戻すと、ゆったりと微笑んで言う。 「スタンリー、早かったのね。驚いちゃった」 「明日はまたダウンタウンだからな、早めに出て来た」 俺もそう平然と答えた。 「まだ、何の用意もしてないのよ、夕食」 ニーナは、床に落としてあったシーツをさりげなく拾うと、しっかりと手に持って小さくまとめる。 「今時分、ベッドメイクか? 手伝おう」 俺はごく優しくニーナに声をかけた。 窓は開け放ってあったが、さっきまでのセックスの匂いは、まだ生々しく残っている。 「大丈夫よ。先にシャワーでも浴びていたら? スタンリー」 ニーナは、やはりさりげなく俺の申し出を断ると、新しいシーツをマットレスに折り込む前に、外したばかりのピローケースとシーツを抱え、階下のランドリールームに下りていった。 俺はその場で制服を脱ぎ捨て、剥き出しになったマットレスの上へ投げ出すと、バスルームへと向かう。
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