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一
冬場は雪に閉ざされるみちのくでは、大正の頃より盛んに合唱団が行われていました。演奏はアコーディオンかバイオリン。十人前後の少人数の合唱団が、大きな家や役場の一室を借りて合唱を披露し、集まった観客より入場料を受け取るのです。長い冬の数少ない娯楽だったと云います。
戦後の一時期、いくつもの大きな合唱団が乱立していましたが、今はその伝統も知る由もないのです。
それが一転。ここ数年、青森市に本部を置く「みちのく少年合唱団」が、東北のみならず日本中で大変な人気を集めていたのです。
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