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作戦変更。
いや、そもそも作戦なんてない。俺は嶺を家に呼びつけて、対策を練ることにした。
「悔しいが、例の大学生は俺から見てもイケメンだった…」
「そっか…あ、えっと…大地もイケメンだよ?」
「いや、そういう気遣い逆にしんどい」
「ハハハ!ごめん、わざと…でもさ、大地は可愛い系じゃん。この間の文化祭の女装コンテスト、なかなかのハイレベル争いだったのに優勝してたしさ…」
嶺は、面白がるように頬に手を当てて乙女チックなポーズをして見せた。
「えぇ!?お前…何で知ってんの?公開日じゃなかったのに…」
「誰のか忘れたけど、ストーリーで見た」
「マジかよ…」
俺は深くため息をついた。
"可愛い"も"女装コンテストでの優勝"もちっとも嬉しくなんかない。むしろ、男として劣等感を感じてしまうくらいだ。
俺はもっと身長が欲しいし、男らしく頼られたいんだよ…
そんな俺の気持ちを他所に、嶺は体の前で手のひらを拳でポンと叩いて「それだ!」と昂然と眉をあげた。
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