5人が本棚に入れています
本棚に追加
あいつらは、ウヒヒヒ!とケダモノのような異様に甲高い声で笑い合い、それにつられて教室全体が狂気で充たされていく。
まるで自分を見ているような気分で、僕の胸が痛んだ。
「あいつら……」
僕は呻いた。
が、実体がないから、あいつらに掴みかかったり、ラクダを庇うように寄り添うこともできない。
その口惜しい思いを彼も汲み取ったのだろう。
「たしかに、オレがそうだったように、お前にできることはたいしてないだろうな」
ため息混じりにそういった。
それでも、ラクダが自分たちの方に来ないようにしてあげたい。
ヒロノと僕は、そう言い合った。
最初のコメントを投稿しよう!