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「でも、どうすればいいんだ?」
それには、ヒロノも黙りこんだ。
僕は、彼女の手を引くことも背中を押すことも、話しかけることもできない。
ただ、願うことしかできない。彼女がこの先無事であることを。
どうすればその願いが通じるだろうか。
僕はしきりに考えた。
ヒロノもここで断念するに至っただけに、答えを持ち合わせていない。
思わず歯ぎしりをした、まさにそのときだった。
ふと彼女がこちらを振り向いた。
まるで、僕の気配に気づいたかのように。
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