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「いーから。
それ飲んだらさっさと寝ろ?
あ、シーツは交換しておいたから、心配しなくていい」
もう飲み終わったのか、缶と一緒に私の食べたゴミを持って彼が立ち上がる。
「ゴミくらい、私が……!」
「いいって言ってるだろ」
課長はその長い指で、私をデコピンしてきた。
「あいたっ」
痛む額を手で押さえる。
「あんまりうるさいと、襲うぞ?」
冗談だってわかっている。
でも、右頬を歪めて意地悪く笑う彼を見ていたら、襲ってくださいと言いそうになった。
ビールを飲んでしまい、洗面所で歯を磨いて戻ってきたら、ベッドが出現していた。
「どうしたんですか、これ?」
「このソファー、ソファーベッドなんだ。
来客用に一応、置いてある」
古暮課長はてきぱきとその上に布団を引いて寝る準備をしているけれど。
「だったら私がこっちでも、問題ないのでは……?」
それならわざわざ寝室なんてさらなるプライベート空間に、私を入れなくていいはず。
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