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「一応ベッドだけど、これの寝心地はあまりよくないぞ。
それに俺は睡眠時間が短くて足りる人間だから、早くからごそごそやるしな。
だから上でゆっくり寝ろ」
私を納得させるようにか、課長がにかっと爽やかに笑ってみせる。
「じゃあ、お言葉に甘えて……」
納得したわけではないが、私を起こすかもと彼に気を遣わせるのも悪い。
ここは従うのがベターだなとジャッジを下した。
課長に言われた手前の部屋を開ける。
やはりインテリアはモノトーンで統一してあった。
ここが寝室なら奥は書斎かと思ったが、それらしきコーナーはリビングの片隅にある。
なら、なんなのかは気になったが、そこは詮索しないのがマナーだ。
「リビングといい、綺麗な部屋だなー」
ベッドに座り、ぐるりと見渡す。
うちと違い、服がそこかしこに掛かっていたり、通販の箱が積み上がっていたりとかない。
こんな部屋が維持できるなんて、尊敬しちゃうな。
「古暮課長のベッド、か」
部屋の半分以上を占めるダブルベッドに潜り込む。
今日は予定外に遅くまで働いて疲れた、ゆっくり休もう。
目を開けたら古暮課長の顔が見えた。
「おはよう」
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