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手渡されたお皿には、フランスパンのフレンチトーストがのっている。
「わかりました」
お皿を受け取り、言われたとおりに盛っていく。
しかし、こういうのはセンスというヤツが出るわけで。
「……うっ」
我ながら映えとやらからほど遠い盛り付けだが、まあ、お腹に入れば一緒だ。
「じゃあ、食べようか」
「……いただきます」
ダイニングテーブルで課長と向かいあって朝食を食べる。
課長の盛り付けは私なんかと違い綺麗だ。
私のも課長にやってもらえばよかったなーとか考えていた。
「作っておいてなんだが、瀬谷はこんな朝食に不愉快になったりしないか」
なぜか古暮課長は自信なさげだが、これのどこに不愉快になる要素があるのかわからない。
「なんでですか?
朝からこんな豪華なフレンチトーストを食べさせてもらえるなんて、テンションが上がりますよ」
「そうか!」
課長の顔がぱーっと輝く。
眩しすぎるその笑顔に、つい目を細めていた。
そのあと、課長はご機嫌だった。
「しっかし、瀬谷が俺に抱きついて寝てくれるなんて、嬉しいな」
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