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「ふー、さっぱりした」
私がおにぎりを食べ終わり、お茶を飲んでひと息ついていたら、課長が浴室から出てきた。
しかし、洗い髪を拭きながら、お風呂上がりの課長は色っぽくてどこを見ていいのか困る。
課長はそのままキッチンに置いてある冷蔵庫に向かい、ビールを二本掴んでソファーにいる私のところまで来た。
「飲むだろ?」
「……いただきます」
差し出された缶をありがたく受け取る。
それはいいが、近い!
なんで私の隣に座るの!?ううっ、ボディソープのいい匂いがして、無駄にドキドキしてしまう。
けれどそんな私の気持ちを知らず、課長はカシュッといい音で缶を開け、グビグビと勢いよくビールを飲んだ。
私も缶を開け、無言でちびちびとビールを飲む。
「瀬谷は上で寝ろな」
ふーっと満足げに息をついた課長が言う上とは、たぶん寝室のことだろう。
「え、じゃあ古暮課長はどこで寝るんですか」
「俺はここで寝る」
ぽんぽんと課長が叩いたのは、座っているソファーだった。
「そんな!
泊めていただいたうえにベッドまで譲ってもらうなんて悪いです!」
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