さいごに

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さいごに

このエッセイを書こうと思ったきっかけは、ある方からのメッセージでした。私がエブリスタで発信したつぶやき、それに対する返事だったのですが、「アズマさんの言葉で筆を折るのをやめました」、そういったメッセージでした。そのメッセージは、私の胸に深く刺さりました。 なぜかいつも私は、自信たっぷりに見られることが多いのですが、内心はビビリで、いつも迷いながら執筆をしており、しょうもない作品を出してスターが少なければ頭を抱えて後悔する日々です。そんな私の言葉で、執筆を続けようと思ってくれた人がいる、それは素直に嬉しくて、自分がここで言葉を発信し続ける意味があったのかなと、暖かい気持ちになりました。 私は人よりも執筆経験が多くて、人よりも壁にぶつかってきました。そんな私が言えることはただ一つです。小説を書き続けて良かった、ということです。小説を書くことは、苦しいことばかりで、悩み、悶えて、絞り出すように作品を生み出します。けれども、その何倍もの喜びがあって、多くの感動があり、筆を置いた数年間はありましたが、この世界に戻ってきて良かったと心の底から思っています。 もしも、筆を折ろうかと迷った時、思い出してください。あなたには、あなたの作品を待っている読者がいることを。そして、執筆という絆で繋がった仲間がいることを。そして、執筆を始めて10年以上経っても色んな壁にぶつかって筆を取り続ける不器用な作家がいることを、思い出してください。たとえ今が苦しくたって、あの時は大変だったと笑える日が必ず来ます。一人でも多くの作家が執筆の楽しさを忘れずにいてくれますように、私はそう願っています。
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