山の足音

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恐る恐る入り口の隙間から外をのぞいたが、月明りの中、そこになにも見ることができなかった。 すると友人がテントの入り口を開け、その辺りを懐中電灯で照らした。 ――おいおい。 思ったが友人は懐中電灯の照らす先を、じっと見ていた。 しかし、なにもいなかった。 友人が懐中電灯を消し、入り口を閉めた。 すると、また重い足音がした。 それはテントからゆっくりと遠ざかっていき、やがて何も聞こえなくなった。 その間友人と俺は、全く動くことができなかった。 明るくなって外に出ると、そこには大きく丸い足跡が残されていた。        終
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