1人が本棚に入れています
本棚に追加
恐る恐る入り口の隙間から外をのぞいたが、月明りの中、そこになにも見ることができなかった。
すると友人がテントの入り口を開け、その辺りを懐中電灯で照らした。
――おいおい。
思ったが友人は懐中電灯の照らす先を、じっと見ていた。
しかし、なにもいなかった。
友人が懐中電灯を消し、入り口を閉めた。
すると、また重い足音がした。
それはテントからゆっくりと遠ざかっていき、やがて何も聞こえなくなった。
その間友人と俺は、全く動くことができなかった。
明るくなって外に出ると、そこには大きく丸い足跡が残されていた。
終
最初のコメントを投稿しよう!