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仲居たちはひゐろをお客様だと認識したせいか、それ以降騒ぐことがなくなった。彼女たちはひゐろに話しかけもせず、黙々と寝支度をはじめた。そして一時間もしないうちに皆、床に着いた。
ひゐろも仲居に合わせ、すぐに就寝した。
布団は重いわりに綿の薄い代物で、仲居の人数が多いから、暖が取れるという状況であった。
翌朝、ひゐろは六時に目が覚めた。
そっと布団から抜け出し、廊下にあった窓から外をのぞくと、雪が積もっていた。
“今日の仕事は、休みね。おかげで、貸家を探しに行けるわ”とひゐろは思った。
「……昨日は、ごめんなさいね。きちんと仲居に通達できていなくて」
振り向くと、小夜が立っていた。
「あの部屋に女性が入ると、皆仲居だと思ってしまうのです」
「当然だと思います。あの場所は仲居部屋ですし、私は皆さんと年恰好も近いですし」
「どうか気を悪くなさらないでくださいね」
「もちろんです」
ひゐろは、笑顔を見せた。
小夜は続けた。
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