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美しいものを見るのは私にとっても勉強になる。色合いやこの店にもある花はもちろん、新しい刺激が何より活けるときの材料となる。
次々と運ばれてくる目にも美しい料理。
色合いは花にもたとえることができ、盛り付けの仕方は高さの違いや皿との相性など、もちろん、盛り付けの基本を押さえながら料理人のセンスが生きる。
花の世界にも共通するのだ。どんな花器を使うか。花材と活けるときの枝振りを生かした剪定、その高さ。全体のまとめ方。華道と同じ。基本を押さえつつ、活ける人のセンスが問われる。
「本当に美味しいし、素晴らしい盛り付け。私にとって最高の教材だわ。素敵なところに連れてきてくれてありがとう。この間のお店もそうだけど、さすが玖生さん。私が行かれないようなところばかりよ」
「……嫌みかそれは」
「嫌みじゃなくて、妬みね、ふふふ」
玖生さんの前にシャーベットとコーヒーが出てきた。
「ピーマンもそうだが、実は甘いものもあまり得意じゃないんだ。だから、いつもシャーベットにしてもらっている。君は甘いのが好きだったらケーキとかのったプレートにしてもらうか?」
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