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噂と決意
玖生はアメリカへ行く前に親友の鷹也と会った。
「玖生。清家総帥がとうとうお前になるらしいと財界ですでに噂になってる。俺と会うということは、決心したんだな」
「ああ」
ツインスターホテルのオーナールームへ来ていた。他人に聞かれたくないので、ここを選んだのだ。
「ということは、彼女に結婚を申し込んだんだろ。まさか断られた?」
「いや……結婚前提で付き合うことになった」
鷹也は満面の笑みで祝福してくれた。
「そうか、よかったな玖生。お前の幸せを見届けられて俺も安心だ。だが、付き合ってる時間なんてないだろ?結婚は条件だっただろ」
「だが……彼女にも都合がある」
「玖生。耳に入れておきたいことがある。そしてお前にわびておく」
「なんだ?」
「うちのこの間の創業パーティーで織原さんを使ったことが悪い噂になっている」
「なんだと?」
玖生は鋭い目で鷹也を見た。
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