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そう小さく言いおいた。エレベーターに三人で乗り、クラブフロアのある二十五階に着いた。エレベーターの開いた先にクラブフロアという看板と、洒落た家具、その上に花が花器に活けてある。
そう、今まさに活けている最中だ。横には花を持ったまま、花器を見つめる中年の女性がいた。
鷹也を見ると頷いた。
進もうとしたら、また由花が引っ張り、頭を左右に振っている。
「大丈夫だ」
耳元で囁いたが、その声に家元が気づいて振り向いた。
三人を見比べるように見て驚いている。
由花が手を離そうと後ろへ下がる。しょうがないから上から抑えたまま進んだ。
鷹也が口火を切った。
「五十嵐さん。今日もご苦労様です」
「あ、ああ、オーナー。いえ、いつもの事ですから」
「今日は親友が来てましてね。ご紹介しましょう、清家財閥の清家玖生さんですよ。お隣の彼女はあなたもよくご存じでしょう」
「え、あ、織原流の次期家元ですよね。清家さん、初めまして。華道五十嵐流の家元をしております、五十嵐梅子と申します」
厚化粧のおばさんが俺に頭を下げた。すぐに頭を上げて由花をじっと見ている。
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