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「女性苦手って言ってましたよね?」 「困ったよ。そのはずだったんだけどな」 「……」 「泉さんが隣にいると……止まらなくなる」  甘い言葉に、心も身体も反応する。   「俺、はじめてのことばかりで、幻滅させてしまうかもしれないけど……」 「はじめて。嬉しいです」 「あ。そっか、泉さんは童貞が良いんだよね」 「違います」 「え、」 「童貞だからじゃないです。真白さんだから……好きなんです」  どさっとソファに倒された。真白さんの唇の熱が首筋にうずくまる。 「ま、ま、真白さんっ?!」 「今日は我慢してたのに。かわいいこと言った泉さんが悪い」  ちゅ。と繰り返し音を立てて、首筋から唇の熱が移動していく。  唇に柔らかい感触が伝う。ちゅ。と触れるだけのキスは、深いキスへと変わっていく。優しく触れるキスはいじらしく感じて、奥が疼いてしまう。 「……んっ、」  頭の中で何も考えられなくなる寸前。  どうしても聞きておかなければいけないことがある。
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