12

16/16
546人が本棚に入れています
本棚に追加
/111ページ
「……」 「もしかして。結婚までお預け?」 「……」 「まじか。いや、待てるよ? 断固として体目的とかじゃないから! うん。俺は我慢できる! それが愛!」 「ふふっ」 「うん。俺は我慢できる! 身体の関係がなくたって、泉さんを愛しているから!」 「真白さん?」 「ん?」 「私が我慢できなそうです」  今度は私からキスを落とした。彼は一瞬驚いたように目を見開いて受け入れた。  ――深い愛に溺れていく。      私は言葉の呪縛に縛られていた。呪いともとれる祖母の予言に縛られていた。  だけど、不思議と今は心が軽い。  呪縛の鎖を感じないんだ。  真白さんとなら、大丈夫。本気でそう思えるから。  
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!