星繋ぎのえーこちゃん

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『星繋ぎのえーこちゃん』                         ゆら 海の上に浮かんだ透明な「お星様の島」で、今日の夜も、 「えーこちゃん」は がんばって働いていた。 近くのテーブルの上に香箱座り「catloaf(キャットローフ)」をして 「猫の玉ちゃん」がえーこちゃんを見ている。 『おかあちゃんも手伝ってーな。』 えーこちゃんにとって、猫の玉ちゃんはおかあちゃん代わりだ。 『行っておいでぇ。』本当のおかあちゃんは、  (ひなせ)っていう町で 一人で暮らしてる。別の猫もそこにはいるけど。 おかあちゃんとふたりで暮らしていたえーこちゃんにとって 初めてのお仕事が舞い込んできたのだ。 星と星をつなぐ大事なお仕事。 壁に取り付けられた星の絵柄が光ったら、そのふぉんとお話して 繋ぎたい星の穴に線を差し込むのだ。 線と線をつなぐ大切なお仕事。 このお星様の島に寝泊まりして、夜の間に光ったら つなぐ、そんなお仕事だった。 普段は一晩に1,2回つなぐくらいなのに、 その日は何故だか、一度に2か所光ったりして久々に忙しかった。 『おかーちゃん。』 忙しくて、半分目を閉じてるような玉ちゃんに愚痴をこぼす。 (あれ、いつもは光らない壁の一番奥側にある 『ふぃうちゃ』の星が光ってる?) えーこちゃんは、他の星が光ってるのも知らん顔で その『ふぃうちゃ』の光話器(ふぉん)をおそるおそる取ってみた。
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